⑶法律上の制限
たとえ自分の土地でも自由勝手に家を建てるわけにはいきませんし、そこでどんな商売を始めていいものではありません。
また、土地を売る際に、都道府県知事に届け出なければならないこともあります。
このように土地や建物には網の目の如く法律による規制・制限がなされています。
法令上の制限という分野は、このような制限や規制についての知識に関する問題が出されます。
しかしこの分野は苦手な受験者も多く、宅建士試験において大変なイメージを持っている人が多いようです。なぜなのでしょうか。
最大の原因はこの分野の科目に関しては、具体的なイメージがなかなか頭に浮かばず、ただひたすら暗記に頼ろうとするところもあるようです。
また、各法律同士の関係もつかみにくいし、民法などと違って立法目的が技術的でわかりにくいものが多いからでしょう。ただ、ここでも出題傾向はほぼ決まっています。
対策としては、権利関係と異なり、数値を正確に覚えることが重要です。3階を「超える」なのか、3階「以上」だったのかで正解がまるで反対になります。直前の暗記で大丈夫と安心しきっていると案外これが命取りになってしまいます。
早いうちから数字に馴染んでおくのが楽に覚えるコツです。
出題数は全部で8問。中心となるのは、都市計画法、建築基準法で、農地法、土地区画整理法、宅地造成等規制法がこれに続きます。
国土利用計画法、道路法、都市再開発法、河川法等などのいわゆる諸法令については、深入りしないようにしましょう。
都市計画法はほぼ全般から出題されますが、中でも開発許可制度、地域地区、都市計画の内容、各都市計画区域内における建築制限といったところからの出題が多くなっています。
建築基準法の出題の中心は、建築確認制度、用途地域内の用途制限、道路制限、都市計画区域内の建築物の敷地・構造・建築物の面積・高さ等の規制、防火地域などです。
宅地造成等規制法はほぼ全般から出題されています。
国土利用計画法の出題傾向は、土地取引の届出制にほぼ限定されています。今後もほぼ出題されることはないでしょう。
土地区画整理法は土地区画整理事業全般から出題されています。
農地法の出題の中心は、3ヶ条のみ。3条の権利移動の制限、4条の転用制限、5条の転用のための権利移動の制限からです。
道路法、河川法、海岸砲などの諸法令は、1つの法律が1問を構成するのではなく、1肢ずつの計4肢が1問として出題されています。時間に余裕があれば時間を費やすくらいの姿勢で良いでしょう。