近年の出題傾向
出題数は全50問で、ここ数年の合格判定基準は31〜36問以上の正解です。
科目別の出題数は平成21年度の試験から変更されています。
権利関係が2問減の14問、法令上の制限が1問減の8問に、税法が1問減の2問に、そしてこの減少分の4問が全て宅建業法に割り当てられて宅建業法は16問から20問に増加しました。
過去の例では、合格者の多くは宅建業法で7割〜8割正解しています。
各分野の出題傾向と攻略方法
⑴土地・建物
この分野からの出題は、例年2問です。建物、宅地についての常識的知識を問うものです。ただしこの常識は、一般社会における常識より高度ですから、過去問を何度も解き、試験の傾向を掴んでおかなければなりません。
出題傾向は、土地の安全性をテーマにしたものになります。
例えば、自然堤防の後背低地、台地、扇状地などの特性と安全性を問うものや、宅地の適否をテーマにしたもの。住宅地に適した条件や建物の材料・構造をテーマにしたものなどがよく出題されます。
⑵権利関係ー1番重要
家を買ったり借りたりする場合、所有権が買主に移ったり、賃借権が発生したりします。こういった権利が発生したり、移転したり、消滅したりする関係について理解を問う分野です。この分野は宅建士資格の要とも言えるところで、過去の出題数も宅建業法についで多い分野です。
この分野に含まれる法律は、民法、借地借家法、建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)、不動産登記法があります。この中でも最重要科目が民法になります。民法は、どんな法律を勉強する上でも最も基本となる法律です。民法が分かると他の法律も容易に理解することができるのです。民法の基本理解ができれば、宅建業法がいかに易しい科目であるかが分かるようになります。
民法は、総則、物権、担保物権、債権総論、債権各論、親族、相続に分かれますが、全ての分野から出題されるわけではありません。
主に土地建物をめぐる法律関係、権利関係が出題され、動産や親族法関連からはほとんど出題されたことはありません。
この分野は、「債権者Aが、債権者Bに対して○○・・」というように、事例式問題が圧倒的に多くなっています。
こうした問題の対策は、単に基本事項を頭に叩き込むのではなく、この契約はなぜ有効なのか、この場合なぜ当事者よりも善意の第三者が保護されるのか、と法律の目的・趣旨を常に考えながら勉強していくことです。この分野が得点源と言えるでしょう。